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スパコン「富岳」見学へ!神戸研修ルポ【神戸研修2023】

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計算科学研究センター玄関での集合写真

 8月8日、自然科学部情報班を中心とした生徒12名は、顧問とともに世界一のスパコン「富岳」を一目見るべく、理化学研究所計算科学研究センター(神戸市中央区)を訪れた。

今年度から「最先端の科学技術に触れ、高度な知見を得る」目的で夏休み期間に研修を始めることになった私たちは、顧問に「富岳」見学の申し込みをお願いした。夏休みを目前に、理化学研究所のサイトから申し込みをしてもらい数日後、他校と合同での見学が決まった。

「富岳」の見学の申請方法

理化学研究所計算科学研究センターのサイトにある「スーパーコンピュータ「富岳」見学申し込みフォーム」から見学希望日の15日前までに、見学希望日や人数を入力、送信する。

注意点

・個人の見学は受け付けていない

・受入人数は「10名~70名」

・見学実施日は、学校等教育機関は火・木曜日、企業等その他団体は木曜日

・予約可能日はウェブサイトに掲載されてあるので、その中から希望の日を選ぶ

* 最新の情報は、公式ウェブサイトよりご確認ください。

理研 計算科学研究センターへ

理化学研究所計算科学研究センター

 姫路駅に集合し、JR神戸線で三ノ宮駅へ、そこからポートライナーに乗り換え、計算科学センター駅で降りた。

2010年竣工の理化学研究所計算科学研究センターの外観は近代的なデザイン。カスケードが流れる玄関は絶好の撮影スポットだと思い、集合写真を撮った。11時からの見学であったが、早めに到着したので玄関前で待っていたところ、係の方が研究センター内に案内してくれた。1階エントランスには、スーパーコンピュータに関する解説や、システムボードが展示してあり期待が高まった。

同 玄関
スーパーコンピュータのシステムボード

定刻になり、係の人に誘導されて、見学場所に向かった。60分の見学は、「富岳」の概要説明(30分程)、「富岳」見学・質疑応答(30分程)の構成である。(詳しい内容は公式ウェブサイトを参照。)

 「富岳」の概要説明は、スクリーンに映された映像やスライドを使って、スパコンの基礎的な解説から、富岳の「Co-design:コデザイン」の設計思想や利用実績、技術的な内容まで幅広く、興味深いものだった。見学・質疑応答では、情報班員の富岳のOSやソフトウェアに関する質問にも詳しく解説してくれた。

一通りの説明が終わり、スクリーンが上がった。ガラス越しに青と白のグラデーションが美しい「富岳」が現れた。

スーパーコンピュータ富岳
見学する様子<この写真はクリエイティブコモンズライセンスに含まれません。>

午後からはバンドー神戸青少年科学館へ

 この夏の情報班は神戸研修に限らず、「青少年のための科学の祭典」に出展するなどチャレンジングなイベントが勢ぞろいである。

「科学の祭典」では、小中学生向けに科学の楽しさや面白さを伝えるため、「スクラッチとマイコンを使ったプログラミング体験」を実施する。すでに7月には、姫路科学館で開かれた「科学の屋台村」に同様の内容で出展したが、難しいプログラミングや電子工作の技術を正確に、かつ分かりやすく教えるのに苦戦した。

 そこで、私たちは神戸研修で「最先端の科学技術に触れ、高度な知見を得る」だけでなく、バンドー神戸青少年科学館(神戸市中央区)で、「難しいものをやさしく教える」科学教育の方法を得ようと考え、計算科学研究センターから二駅ほどの距離にある「バンドー神戸青少年科学館」を訪れることにした。この科学館は例年、兵庫県総合文化祭(文化部の総体といわれる。通称、総文)自然科学部門の会場となる。自然科学部からも生物、物理、化学の3班が11月に訪れる。

11時から1時間程度の富岳見学を終え、私たちは「バンドー神戸青少年科学館」へ向かった。15:00の再集合の時刻を伝えて、自由行動にした。まずは、腹ごしらえということで館内地下一階の休憩室で昼食をとった。(館内は地下一階休憩室のみ飲食可能

館内は、物理、化学、宇宙、情報、生命、都市とさまざまな分野に分かれている。情報班は理系選択が多いので、物理や化学は幼いころと見方が変わっているようだった。どの分野も共通しているのは「見る」「読む」だけでなく、「触れる」「動かす」といった体を動かす能動的な展示が多かったことである。ほかにも、難しい現象や機構を単純化して図解するだけでなく、詳細な説明にもこだわっているように思った。子どもだからと言ってやさしい解説にとどまってはいけないということを感じた。

バンドー神戸青少年科学館
同 展示「化学エネルギーを電池エネルギーに(ボルタの電池)」

こうして、多くの知見を手に入れた私たちは、ポートライナーに乗り、帰路に就いた。

神戸研修参加者の感想

” 今回の研修は富岳について調べる良いきっかけになった。たくさんのシュミレーションを繰り返し、天候や災害などの事象を予測し、それに基づいて対策を考える。スパコンのおかげで自分達の生活が助けられている面もあると気づいた。 “

” 世界一のスパコンと名高い『富岳』は映像などでは見たことがありましたが、実物は自分の思っていたよりも大きく緻密でした。
一つ一つの工夫には人々の血潮が感じられ興奮せざるおえませんでした。自分はコンピュータ関連は全然詳しくありませんが、興味深いものばかりで飽きない1日でした。 “